SOLUTION

ソリューション

中空シリカ

微小な中空シリカ粒子楕円状で平均粒子径2μm以下の微小な中空シリカ粒子を開発しました。中空シリカは内部が空洞な粒子で、軽量化や断熱性の特徴を持っていることから塗料の添加剤や樹脂製品のフィラー剤として普及しています。また、近年開発が進んでいる第5世代移動通信システム(5G)に関しても電子基板に使用される溶融シリカに比べ比誘電率が小さく電気特性の改善効果が期待されています。
具体的には、現在の5G周波数帯は5GHzであるが、今後数年で28GHz以上とより高周波数帯にシフトしていくことが予想され、電子材料基板は高周波下では伝送損失や発熱などが問題になり、この問題を解決するのに材料の低誘電化が求められています。また、同時に電子デバイスや通信に必要な基地局等も小型化しており、電子材料自身も小型・薄膜化が求められています。

低誘電特性と小型化に対応できる中空シリカしかし、上市されている中空シリカの多くは粒子径が数百nm程度と小さいサイズ帯と10μmを超えるサイズ帯の中空粒子です。粒子サイズが小さすぎると低誘電化効果を高めるのが難しく、数十μm以上と大きいと基材の薄膜化や小型化に対応するのが難しいといった課題があり、低誘電特性と粒子サイズを同時に満たすフィラーがないのが現状です。我々は、得意とする無機粒子合成技術で、組成がアモルファスシリカ、楕円形状で粒子サイズが1~1.9μmで粒子径が揃っており、中空率も50~70%とコントロール可能、フィラー誘電率1.6~1.7程度、フィラー誘電正接0.001程度という、低誘電特性と小型化に対応できる中空シリカを開発しました。

その他にも同社の楕円状であれば、現在市場の大部分をしめる真球状の中空粒子にはない光学特性や機械的物性が得られる可能性があります。