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知的財産部長×テクニカルセンター長(特別トークセッション)

社員インタビュー特別セッション

執行役員 テクニカルセンター長
西村

化学素材メーカーにて33年間PVCの添加剤研究を経験した後、2019年に入社。アメリカでの8年間のテクニカルセールスの経験を活かし、テクニカルセンター長として技術営業力強化に取り組んでいる。

執行役員 知的財産部長
近森

化学素材メーカー、そして電子部品メーカーを経て2019年入社。前職での経験から知的財産部長を務める。知財に対して強いこだわりを持ち、自身の夢である知財経営の実現に邁進する。

転職のきっかけ

近森

前職では新商品開発を長くやった後に知財に移ったわけですが、「これってめちゃくちゃ使えるじゃない」って思ったんですよね。新商品開発をやっている時に知財のことがもっと分かっていたら効率的にうまく開発できたのにという思いがすごくあって、それを研究者の人に伝えることが自分のミッションだと考え、それが知財に対する情熱や夢に繋がっていきました。私の夢は、自分の理想とする知財組織をゼロから立ち上げて、イノベーションを活性化させ、知財経営を実践することです。その夢を実現したいという想いがどうしても抑えられなくなり、57歳の時に無謀にも会社を辞めて転職を決意しました。

西村

前職では入社以来33年間PVC(※ポリ塩化ビニル、塩ビとも呼ばれる)の安定剤、添加剤の研究開発に所属していました。そのうちの8年間は米国子会社出向、北南米のテクニカルサービス・マーケティングセールスに従事しており、そこでは塩ビだけではなく、難燃剤や樹脂添加剤を販売していました。そして、2016年に日本に戻り研究の室長をしました。その時、塩ビ事業はこのまま右肩上がりには伸びていかないんじゃないかと、将来的な不安を覚え、この先自分はどうしていくべきかと考えました。それが転職のきっかけです。

SETOLASグループ(当時協和化学工業)を選んだ理由

近森

エージェントさんからの紹介ですが、調べていくうちに本当に良い会社だと思いましたし、サイズ感も良いと思いました。というのも、イノベーションを活性化させ、知財経営を実践するには、スタートアップでは資金力やリソースが足りず、大企業だと小回りが利かない、部門間の調整が難しい、というのが実情で、(協和化学工業は)大きすぎず小さすぎず資本力もあって、なおかつ小回りもきく、そういう意味でイノベーションをしやすい会社だと思い、ここに決めました。

西村

私の場合は、塩ビ以外も含めた樹脂関係の何かがしたいと思い、塩ビで一番使用しているハイドロタルサイトに目を付けたのがきっかけでした。協和化学工業が持っているハイドロタルサイト及びその技術は将来性がまだまだあると考え、それに関して自分が何かできないかな?と思い、自分から声をかけました。

二人の近況

近森

現在は知財創出課と知財インテリジェンス課の2課体制で私を含めて7名で知財に取り組んでいます。ちなみに、この知財インテリジェンス課がある会社は、日本にほとんどないと思います。知財インテリジェンス課は、近年の早くて激しい世の中の変化をビッグデータによって解析し、マーケットトレンド、技術トレンドを分析・予測して、必ず勝てる戦略を立てる、それによって研究開発や新規事業の成功確率を高めることをミッションとする部署で、会社の中でも極めて重要なポジションにあります。これをするためには高い専門性が必要になりますので、今年4月に知財インテリジェンス課を立ち上げ、IPアナリストを2人採用して活動しています。

西村

現在は、テクニカルサービスとして評価や技術的な営業を行っています。入社した時に、会社としていっぱい良いものも持っているし、良い研究もしてたくさんデータがあるにも関わらず上手く発信できていないと思いました。そこで、それらを市場につなげる役割をするテクニカルセンターという部門を立ち上げました。その際に、立ち上げメンバーには言いました「我々はテクニカルサービスをやります、評価をしてそれを自分で売りに行きましょう」と。それが一歩目となり、今ではより営業に近づけたテクニカルセールスを始めていますし、さらに現在あるものをさらに何かに変えて売るという様々な戦略を立て、いろいろな事業の構築も検討しています。

インタビュー写真(西村)

SETOLASグループの課題や魅力、将来の展望

近森

営業に近い部分の機能が弱いところが課題ですね。

西村

本当にそうです。

近森

協和化学工業は、樹脂添加剤の世界では結構有名で、「KISUMA®」とか「DHT-4A®」とか著名なブランドがあり、世界中のお客さんが、まず最初に声をかけるというぐらい有名な会社なんです。入社する前は知らなかったので本当に驚きました。これはもっとアピールした方がいいなと。

西村

協和化学工業のマグネシウム製品は大きくわけて、たかだか3品種なんです。ですが、大抵の樹脂には入っています。ということは、世界中の樹脂を使っている方々が我々のお客さんだというくらい幅が広いと感じています。これは本当に(協和化学工業に)来てびっくりしました。前職の時にも結構幅広くやってきたつもりですが、全く知らないお客さんもいますし、「こんなところにも使われてるの?」ということがたくさんあります。

近森

ただそれが全く活かせていませんでしたね。お客さんから引き合いがあって、それに応えてサンプル出しますが、それだけで。普通はお客さんから引き合いがあったら、「なんかこれチャンスになるんじゃないか?」と色々考えるわけです。そこで本当に新しい用途だったら、その用途に適した製品を開発し、特許を出して、競合企業に負けないようにする。それが以前はうまくできていませんでした。なので、改良開発や用途開発があまりできてない。その辺りが最近ようやく整理されてきて、西村さんのところに情報も集まってきだしたので、ようやく歯車がかみ合ってきましたよね。

西村

ここからですよ。だから、(テクニカルセンターの)責任が重大なんですけどね。

近森

ここから面白くなっていくんじゃないかなと思いますよね。あと、知財的にはどれだけマーケットのニーズにアクセスできるかがとても重要なんです。それができないとイノベーションは難しい。お客さんに買ってもらって初めて価値があるから。それがセトラスホールディングスはできる。こういう会社ってなかなかありませんから。確かな技術と製品でお客様から頼りにされる、グローバルに連携できるネットワークがある、それを活かせる体制になってきたので、それを活かしてイノベーションを起こしていく、そういう段階に来ています。

西村

ほんとそうですよね。ただ、実情としてはまだまだスタートラインだと思います。だからこれからが面白いと思います。今ならもれなくやりたいことができますよ。

近森

何でも新しいことができますよね。

西村

なので、「皆さん一緒にやりませんか?」と。

近森

現在、SETOLASグループは第二の創業期だと思います。今まではすごく良い技術とかリソースを持っているのに活かせていませんでした。そこで、(会社として)もう一度しっかり強みやリソースを活かして新しいビジネスをやっていきましょうということで会社が一丸となって動いていて、イノベーションセンター(※新研究棟。2024年設立予定。)も2年後にできて、研究開発にものすごく力を入れていますので、新しい商品や技術がどんどん出てくると思います。だから、おそらく5年10年たったらもう全然違う会社になるんじゃないかなと思います。

西村

転職決意してここに来たけど、良い意味でこんなことになるなんて思いませんでした。

近森

3年半前に入社してきて、良い会社なんだけど(実情は)結構厳しいと感じましたが、この3年で劇的に変わりましたね。まさに第二の創業期に入りつつあって、そういうところに立ち会えて本当に自分としてはラッキーですし、ワクワクしています。

西村

変革の一端を担える訳で、我々にとってこんなにハッピーなことは無いですよ。
忘れもしないけど、木下さん(※セトラスホールディングス社長)と初めて面談したときに、「これからうちの会社はすごく面白いですよ!いっぱい変えてきますから!!」と。それがまだ4年前ですけど、実際来て最初は何が面白いのかよくわかりませんでした。今はすごく面白いです。変わっていくこと、変わってきていること、これが実感できる状態になっています。あとはそれに皆がどう追随していくか、また新しい人がどのように変えていってくれるか、化学反応ですよ。
あと、やはり考えなければいけないのは会社が儲かるだけではなくて、ここにいる皆さん(社員)が幸せになっていかないといけないわけですよ。その先に世界の皆さんの暮らしを豊かにするとか環境に配慮するとかがついてくると思います。これをベースにして皆が幸せになってくれなきゃいけない、これはもう我々としての絶対的なテーマだと思います。

近森

それと、木下さんが「失敗していいから」、「失敗しろ」という話をよくするんですよね。失敗の責任を取らせる会社ではないし、心理的な安心感はイノベーションを起こす上ですごく大事だと私は思います。なので、新しいことにチャレンジしたいという人にとってはもってこいの面白い会社だと思います。

インタビュー写真(近森)

キャリア採用者に期待すること

近森

とにかく本当に面白いので一緒にやりませんかという感じですね。最近、たくさんのキャリア採用者に入って頂いていますが、その目的の一つは、専門性の非常に高い人に入って頂くことで、自社にないスキルを埋めることができるんですよね。もう一つは、世の中がものすごい速度で変化している中で、研究者に求められる要件も変わってきていているので、そういうものを身に付けている人が入って、ロールモデルとなって頂くことで今の社員が成長する機会ができることに期待しています。なので、キャリア採用はものすごく大事だと思っています。

西村

仰る通りです。「今までできなかったことをうちでやりませんか?」という感じです。『自分は何をやるのですか?』と面接の時に聞かれますが、そんなことはどうでもよくて、「あなたの持っている今までの経験とスキルをどう活かすか、何がしたいのか」を考えてほしいと毎回言っていますね。要するに、今ある型にはまったことだけをやるのではなく、前向きに新しく成し遂げる事を目標としたい、そのためにあなたの力が必要ですと言うことですね。自分の持っている特化した力に対してもう一歩何か飛躍させる、チャレンジするような気持ち、会社を一個起こしてくれるくらいの意気込みで当社に来て頂けるとありがたいです。

近森

プロパー(生え抜き)の方を育てるのも大切ですが、キャリア採用で会社にないケイパビリティーを持っている方に入って頂いて活躍してもらうことがものすごく大事だと思います。私はいつも人を採用するときは自分より優秀な人を採れと言います。よくありがちなのが自分より優秀な人を採ったら自分が不利になるのではとか、立場が弱くなるのではと考える人がいますが、絶対(その人にとって)プラスになりますから。優秀な人に刺激を受けて成長できるし、プロパーさんにもそういう短期的な視点で見るのではなくどんどん素晴らしい人にセトラスグループに来てもらって、その人から刺激を受けてほしいですね。

今後の目標

近森

知財を使ってイノベーションを活性かさせ、研究開発や新規事業の成功確率を上げていく、それによって会社の発展に貢献することが目標です。それができたら知財経営を実践しているということになると思います。私は(知財経営に)ずっとこだわってきて、それがまさにできるようになってきたかなと思います。2019年に入社して、当時はしっかりした知財体制がなかったので、この3年強かけて組織も作り、知財インフラもでき、ようやく体制が整って、今から知財経営を実践していくというところまで来たかなと思っています。

西村

プロフィットセンターになってテクニカルセンターとして会社を起こし独立すること、それが目標です。そのために色々な策を打っていますし、こんなことやりたい或いはやるべきことを模索しています。テクニカルセンターができた当時から言っていますが、「独立してやれるくらいの規模感でできるようになろう」、「単なる評価屋で終わるな」と、日々奮闘しています。

(掲載内容は、2022年10月現在のものです。)

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